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作品集『Rikako Kawauchi: Works 2014–2022』

書籍・プロダクト 企画開発

「VOCA展2022」で最高賞を受賞するなど注目を集めるアーティスト・川内理香子の作品集『Rikako Kawauchi: Works 2014–2022』を刊行

川内理香子は、2015年の資生堂ギャラリー展示において最年少でshiseido art egg賞を受賞するなど、美術大学在学中から頭角を表し現在も注目を集める新進気鋭のアーティストです。昨年は「TERRADA ART AWARD 2021」のファイナリスト展に選出、今年も「VOCA展2022」で最高賞のVOCA賞を受賞しました。

川内が描く表情豊かな「線」は、ドローイングに始まり、厚塗りした油彩の層を引っ掻くように描くペインティング、キャンバスに針金を施した作品や、ゴムチューブ、ネオン管、粘土などを用いた立体へと、彫刻的な空間表現に奥行きをみせます。子供の頃から抱く食と身体への違和感をテーマに、人間の文化の始まりは料理にあると説いたフランスの社会人類学者/民族学者、クロード・レヴィ=ストロースの『神話論理』の神話の世界に出てくる動物などをモチーフにしたペインティングなど、多数の作品を発表しています。

本作品集は、2020年に発行したドローイング集『drawings』(WAITINGROOM)に続き、2冊目の刊行となります。ドローイングに加え、ペインティング、彫刻作品を含む2014年から最新作までの約150点を収録。ペインティングは、引っ掻いたような強いタッチ、何層にも塗り込んだ絵具の層が、生々しい迫力を持って見るものを圧倒します。蛍光色も多用するペインティングの彩度にもこだわり、その色彩を印刷でも再現しました。
そのほか、川内の身体観に様々な観点から着目した蔵屋美香氏の論考、幼少期から今後の展開までを取材した最新のインタビューも収録しており、これまでのアーティスト活動の集大成とも言える1冊となっています。

Photo:⼭中慎太郎(Qsyum!)|空間的奥行感のあるネオン管の線、水彩の繊細なにじみとグラデーション。
Photo:⼭中慎太郎(Qsyum!)|粘土という触感を刺激する素材、流動的なメタルと格闘する彫刻作品。
Photo:松尾宇人|ドローイングは、川内の描く鉛筆の線の抑揚など、細部までこだわって印刷しています。
Photo:⼭中慎太郎(Qsyum!)|引っ掻いたような強いタッチ、何層にも塗り込んだ絵具の層が、⽣々しい迫⼒のペインティング。
Photo:⼭中慎太郎(Qsyum!)|蛍光⾊も多⽤する川内のペインティング。その⾊彩の彩度を印刷でも再現しています。

プロフィール

photo by Mie Morimoto

川内 理香子
1990年東京都生まれ、2017年に多摩美術大学大学院美術研究科 絵画専攻油画研究領域を修了。現在は東京を拠点に活動中。
近年の展覧会として、2022年個展『Lines』(VAN DER GRINTEN GALERIE /ドイツ)、2021年個展『Empty Volumes』(WAITINGROOM/東京)、『afterimage aftermyth』(六本木ヒルズA/Dギャラリー/東京)、2020年個展『drawings』(WAITINGROOM/東京・OIL by 美術手帖/東京)、個展『Myth & Body』(三越コンテンポラリーギャラリー/東京)、2019年グループ展『drawings』(ギャラリー小柳/東京)、2018年個展『human wears human / bloom wears bloom』(鎌倉画廊/神奈川)、個展『Tiger Tiger, burning bright』(WAITINGROOM/東京)など。
2022年『VOCA展2022 現代美術の展望―新しい平面の作家たち―』にてVOCA賞を受賞したほか、2021年『TERRADA ART AWARD 2021』ではファイナリスト5組に選出、寺瀬由紀賞を受賞、2015年『第9回 shiseido art egg』art egg賞、2014年『第1回CAF賞』保坂健二朗賞を受賞。

書誌情報

『Rikako Kawauchi: Works 2014–2022』
著者|川内理香子
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
定価|6,600円(税込)
仕様|B5変型、上製、題簽貼り、箔押し、288頁
ISBN|978-4-568-10549-0 C0071

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