作品集『Wet Land』
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FENDIとのコラボ作品も話題となった、注目の風景写真作家・今坂庸二朗。日本で初の作品集『Wet Land』を刊行
・書籍概要
●アメリカ南部ミシシッピ河口に広がる手つかずの自然美を超アナログ撮影で収めた作品集
ランドスケープ写真をライフワークとする今坂の撮影スタイルは、インスピレーションを受けた土地へのリサーチを積み重ね、その土地に合った撮影方法を選択することから始まります。撮影場所に入ってからは長期にわたり現場の光の移り変わりを見続け、撮りたい風景イメージを頭の中で固めます。細かい作業を積み重ね、今坂作品の特徴である「風景絵画を思わせる繊細な作品」が完成するのです。
本書には、ミシシッピ河口に広がる「バイユー」と呼ばれる湿地帯の風景写真76点を収録しています。この撮影で今坂が選択した撮影技法は「コロジオン湿板法」。8×10の大型カメラに、厚さ1ミリほどのフィルム代わりのガラス板をセット、長時間の露光を経てイメージを焼き付けます。今坂の風景作品は、背景にある土地の文化も映し出していることも特徴の一つに挙げられます。かつてこのバイユーに移り住んだフランス系カナダ移民は、原住民とともにケイジャン文化を生み出しました。《Wet Land》シリーズの制作において今坂は、ケイジャンの食生活に欠かせない食材「タマネギ」をプリント時の調色に使用することを思い付きます。こうした柔軟なアイデアも、彼の作品をより重層的なものへと昇華させているのです。そんな今坂作品を知る手立てとなるテキストも充実。19世紀西洋絵画を専門とする美術史家キャサリン・キャリー・ガリッツ氏(メトロポリタン美術館所属)によるエッセイ、テート・モダン写真部門シニア・キュレータなどを歴任し、現在アジア・ソサエティ館長を務める中森康文氏による今坂インタビュー、今坂本人の解説による撮影プロセスも収録しています。
【目次】
《Wet Land》――記憶としての風景
キャサリン・キャリー・ガリッツ
インタビュー
風景写真の可能性――過去・現在・未来
聞き手:中森康文
《Wet Land》シリーズの撮影方法
・プロフィール
今坂庸二朗
1983年、広島生まれ。日本大学芸術学部写真学科、プラット・インスティチュートにてMFA取得。2007年に活動拠点をアメリカに移す。ニューヨークやパリを中心に数々の個展を成功させ、日本では表参道 ストリート アート プロジェクトでの「FENDI × Yojiro Imasaka」(2022)などの展示も。
・書籍情報
『Wet Land』今坂庸二朗 ランドスケープ作品集
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ
発売|美術出版社
価格|10,000 円+税
発売日|2023年10月20日(水)
仕様|168ページ、 B4変型
ISBN|978-4-568-10570-4 C0072
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