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【メルマガ】プロジェクトプランニング メールマガジン5月号 Planning notes「ストレッチを継続する」

プロジェクトプランニング

CCCアートラボ「美術手帖」プロジェクトプランニングでは、「アート✕ビジネス」におけるホットトピックを毎月のメールマガジンにて配信しています。メールマガジン5月号の特集テーマは「アート思考はメソッドとして確立できるか?」。同号のテーマをめぐりプロジェクトプランニング プロデューサー・田尾圭一郎が綴るPlanning notesをご紹介します。

 

– Planning notes –
ストレッチを継続する

 

今号のメールマガジンでは“アート思考”について紹介している。マーケティングやデザイン思考といった“問題解決”に呼応するオルタナティブとして“問題提起”の思考法は目新しく、様々な書籍で取り上げられ、実際に試す企業も少なくない。だがその一方で、具体的なメソッドではなく抽象的な思考法であること、既存からの逸脱を目的としたものであることなどから、ゴールイメージのわかりにくさがつきまとう(そしてそれは、適切な処方を見出だせないまま一過性のブームで終わる懸念性を潜めている)。

 

6月に、広告業界を中心に活躍する「The Breakthrough Campany GO」の三浦氏と、わかりにくさをテーマとするトークイベントを控えている。15秒のCMや140字のSNSでキャッチーにメッセージを伝える広告のフィールドにおいて、“Breakthrough(問題提起)”に挑むことの(わかりやすさが求められる広告に対する)わかりにくさと難しさを、彼はどのように受け止めているのだろうか。

 

価値の多様化する社会において正解はひとつとは限らず、仮にいまわかっていたとしても、視座や判断基準を変えればちがう正解も成立し得る。“わかりにくい”とは、15秒で見出せる答えに安住せず、140字を超えても思考を止めず、自分に内在しない答えを獲得しようともがき続ける“わからないを開拓する力”と同義である。

 

そのうえで振り返ると、いま実践されているアート思考は、その目新しさからかトライアルという位置づけのケースが多く、即時的なわかりやすい効果を結論づけられやすい。だが本来的なアート思考の活用とは、単発のプロジェクトで一時的な成果を求めるものではなく、思考を柔軟にするストレッチのように、継続的なメンテナンスとして処方されるべきものではないだろうか。何故ならばアートとは社会や人間性のあり方を問い続ける営みであり、(その難しさを痛感しながら自戒を込めて言及すれば)それはアート×ビジネスというフィールドにおいても同じであるべきだからだ。

 

「美術手帖」プロジェクトプランニング プロデューサー
田尾圭一郎

      

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