CCC ART LAB

【取り組み】プロジェクトプランニング メールマガジン5月号
特集:アート思考はメソッドとして確立できるか?

プロジェクトプランニング

この文章を読んでくださっている皆様は、「アート思考」という言葉をどこかで耳にされているかと思います。既成概念を超えたイノベーションを生む思考法として注目されていますが、その定義は定まっておらず、その効果の測定にも難しさがあります。未知なる可能性を秘めたものだからこそ、それを魔法のように特別視することも、捉えにくいものとして遠ざけることも適切ではないでしょう。「アート思考」を意義あるものとして社会にインストールするために必要なものとは何でしょう?本メールマガジンを通して「アート思考」の現状を俯瞰し、実際的な思考法として捉え直す契機となりましたら幸いです。
 

① アート思考とは?

「アート思考」の思考プロセスは、アーティストの作品制作過程になぞらえ言語化が試みられています。自分を起点に問いを立て、そこに自らの解釈をもってアプローチ、アウトプットし、価値を再定義する/新たな価値を創出する……。「アート思考」による事業創出の有名な例としては、「Soup Stock Tokyo」などを思い浮かべる方も少なくないかもしれません。

 

ビジネスにおけるアートの存在が一昔前までは物理的なもの(社内にアートを飾るなど)に限られていたのに対し、近年注目されるのはソフトの面で、いかにアーティストの発想法を取り入れるかがボトルネックとなっています。早い例では、2008年よりマネックス証券が「ART IN THE OFFICE」を実施。また2016年にはヤマハがクリエイターの観点に着目し、新たな価値創造に向けクリエイターとの協創関係を試みる取り組みを社内で試行。この1、2年ではより顕著に、マイクロソフトはじめ多数の企業がワークショップなどを通し「アート思考」を取り入れようとする動向が見られます。

② アート思考をめぐる取り組み

■人材育成に向けて
東京大学先端科学技術研究センターと企業9社の連携により、研究活動と合わせて、アート思考を実践した課題解決ができる人材育成をめざす試み(「先端アートデザイン社会連携研究部門」の設置)が今年1月発表されました。いかに実際の課題解決まで導いていくか、研究とそのための人材が求められています。連携企業は、資生堂、住友商事、ソニー、日本たばこ産業、マツダ、ヤマハ、ヤマハ発動機、リクルート、ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループの9社。

 

フレームワーク化の試み
NTT協力のもと、東京大学大学院情報学環はアート思考によるイノベーション創出方法に関する研究プロジェクトを開始。人口減少や地域活性化、エネルギー問題など社会的課題に対し、アートの制作過程に着目し、新たな視点と従来から異なるアプローチでイノベーションを生み出す方法論の創出を目指すものです。

また、凸版は京都大学とともに「アートイノベーションフレームワーク™」を開発。アーティストの思考ロジックを基に、そのプロセスをビジネスシーンに応用し新しい発想へと結びつける思考法を提案しています。同社と京都大学は共同で、アートと最先端テクノロジーを組み合わせた社会的価値創造を目指した研究を2019年から続けており、今後このフレームワークの活用、そこから創出されたアイデアの具体的事業化を目指しています。

 

■課題
上記のような様々な取り組みの一方で、課題も見過ごせません。現在ワークショップなどは単発で行われるものが多く、またプロジェクトとして施行した場合にも「アート思考」を取り入れた効果を目に見える形で把握することは難しく、検証方法も定まっていない状況があります。この検証方法を探ってゆくことは、「アート思考」の社会実装に関わる重要な課題です。

③ アート思考を実装するために

「美術手帖」プロジェクトプランニングにできること
弊社プロジェクトプランニングでは、「アートを社会に実装する」をコンセプトに掲げアート✕ビジネスのプロジェクトに多数取り組んできました。弊社ではこれまで積み重ねてきたアートプロジェクトの経験を活かし、アーティストと企業を仲介する存在として課題設定から企画プランニング、プロジェクトの運営まで一連の流れをサポートいたします。
アート思考による問題提起に留まらず、そこから具体的なアクションに落とし込み課題解決まで企業と伴走すること、新たなサービスとしてアウトプットまですることに意味があると考えています。

例えば弊社ではCCCグループのリソースを活かし、実店舗(銀座 蔦屋書店をはじめとする全国の蔦屋書店)でのワークショップやイベント、アーティストとのマッチングやコラボレーション、「美術手帖」などメディアでの広報を通じて社会への実装を実現します。

「アート思考に可能性を感じるがどう取り入れたら良いかわからない」「ワークショップなど実施してみたいが効果に不安がある、全体像が見えない」など、迷われている方もまずはお気軽にご相談ください。

 

プロジェクト事例

アート思考をフレームワークとした蔦屋書店でのワークショップの実践

アート思考を活用した企業ブランディング 「美術手帖」✕ VOLVO ART PROJECT  

■ イベントのご案内

セミナー開催「ビジネスパーソンのためのアート思考」三浦崇宏 × 田尾圭一郎

 
多様な問題が絡み合い複雑さを増す現代。ビジネスで優先されてきた「わかりやすさ」に疑義を向け、「わかりにくさ」の価値に注目することで、今の時代を生き抜くヒントが見えてくるかもしれません。広告のプロである三浦崇宏氏(The Breakthrough Company GO 代表取締役)と弊社プロジェクトプランニング プロデューサーの田尾圭一郎が議論します。
▷公式サイト:
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01myhh2ayxn11.html
▷申込み〆切:2021年6月15日(火)12:00

プロジェクトプランニング プロデューサー・田尾圭一郎が毎号のテーマをめぐり綴るPlanning notes。今号は「ストレッチを継続する

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